新しい「桑」との再会
桑の葉の粉末を、こういうケーキにも使えませんかね」
　突然、こんな声をかけられたのが、桑との新たなる出会い
の始まりでした。
　それは二年ほど前、群馬県庁の生協食堂前に、「健康草パ
ウンド」という地粉を使ったオリジナルケーキ２０余種類を
もって出店中のできごと。声の主は、農政部蚕糸課のTさんで
した。　真剣な顔で、「桑の葉を使った食品をいろいろと開
発し、製品化してみたいと、課として考えているんですよ」
と説明されました。うまくいけば、群馬の新しい特産品にも
なるし、桑園の減少も食い止められるとも。
「繭と生糸は日本一と、群馬の郷土カルタにありますが、わ
ずかに残されている桑園もいまはほとんどが荒れ放題。Tさん
の話を「いまさら…-?」の思いで聞いていましたが、後で
『桑葉の効用』というタイトルの報告書を蚕糸課で見せられ
て驚きました。そこには、桑の葉の健康増進作用について、
神奈川県が数年間、マウスやラットを使って実験研究した結
果がずらっと並んでいたのです。それはだいたい次のような
ものでした。

*カルシウムや鉄などのミネラルが、モロヘイヤやコマツナ
 と肩を並べるほど豊富
*血糖値を改善し糖尿病を予防
*コレステロール値、中性脂肪値を改善
*肝臓の脂質改善と機能改善
*ガンの予防効果
*便秘の改善
*体脂肪を抑制
*腸内悪玉菌を減少させる
*高血圧の抑制効果
*ダイエット効果
*染色体異常や突然変異の誘発はない

「〃蚕のスペシャル食べ物は、人間にとってもスペシャル
食べ物"になるかもしれない。よし、これからクワとまじめ
にお付き合い、させてもらってみよう」と、『桑葉の効用』
を手にして思いました。
　県庁から帰る車の中で、小学生の頃、養蚕を少し手伝っ
たときの桑の感触がなつかしくよみがえってきました。

・桑の葉うどん
・桑とウドのゴマ味噌真世根マヨネーズ
・桑ロール豚カツ
・桑とニンニクのオリーブオイル炒め

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