大腸の病気・診断と治療シリーズ                              

   Part V


   大腸内視鏡検査はなぜ辛い?


近年大腸ガンは急増しており、早期発見・治療のために精密検査である全大腸内視鏡検査(すべての大腸・直腸を観察)が欠かせません。しかし、この検査に多くの人は強い抵抗があります。その理由として、大腸をきれいにする前処置が大変だ、という声と、とても痛く苦しい検査だという声が多く聞かれます。本当にそんなに辛い検査でしょうか?

大腸は、右下腹部の盲腸に始まり右上腹部へ向かい、ここで屈曲し左上腹部へ横切り(横行結腸)、さらに屈曲し左下腹部へ向かいます(下行結腸)。そして急な屈曲後S状結腸へ移行し、直腸・肛門へと達します。横行結腸とS状結腸は、周囲に固定されていない点が他の結腸と異なり、とても長く蛇行するケース多くみられます。

 大腸内視鏡の手技の進歩はめざましく、以前は二人で内視鏡操作をしていましたが、現在は一人で挿入する一人法が主流です。基本的には、約120cmの長さの大腸を短縮しながら屈曲を解除しつつ挿入します。無理に押し込むとすぐに腸管は進展して大きなループを描いてしまい、耐え難い疼痛を引き起こします。また、挿入時空気を入れすぎるとお腹がパンパンにはってしまい大変な苦痛になります。各屈曲部はむやみな挿入では通過できず、特にS状結腸から下行結腸への挿入は難しく、ここで大変な時間をかけ、苦痛を与えてしまうことがままあるようです。人により大腸の長さや走行はまちまちで、どんな人にも常に盲腸まで挿入するにはかなりの経験を有しますが、解剖を熟知し、送気を控えめにして、短縮を進めながら挿入できれば、挿入に伴う痛みはほとんどなく、しかもごく短時間に挿入できます。実際ほとんどの人は数分で盲腸まで到達します。胃カメラより楽、という人がほとんどです。専門医の元での検査は、とても楽にできると思います。検査前に多量の下剤を飲みますが、最近フルーティーなものに変更し、とても飲みやすく好評です。


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