院内報一面紹介(抜粋)



木暮正美



健康って何でしょう?

 前号で「健康」について考えてみませんか?と問いかけました。少し考えて頂きましたでしょうか。 今回の話も、高橋和巳という人の書いた「心地良さの発見」という本に書いてあることが主です。もし機会があれば読んでみることをお薦めします。精神科のお医者さんの書いた本ですが、とても分かりやすく書いてあります(三五館「心地よさの発見」高橋和己著)。
 この本の中で、二つの健康観についてあります。今までの、病気でなければ健康という考え方を二元論的な健康観としましょう。つまり、一方で「病気という状態があり、この反対として「健康」があるという考えです。
 どうもそうではないだろうといった考えを、一元論的な健康観とします。なぜ一元論的かというと、健康な状態と病気の状態は同じ人間のその時の状態であって、相対して存在するのではないと考えるからです。この一元論的な考えは東洋ではそれほど異質な考えではなく、漢方では健康の下に「未病」という状態があり、読んで字のごとく未だ病に至らずの状態で、健康ではないが、健康のレベルが落ちた状態を示し、更に健康のレベルが落ちると病に至る、とする考えが、永い間伝えられて来ていますし、インドのアーユルヴェータでは更に細かく最高の健康状態から病気の状態までの間を7段階に分けて考えています。但し、この一元的な状態は連続しているのではない、とも高橋先生は書いています。つまり階段状に連続しているのだそうです。
 さて、前号で書いた様に病気でなければ健康という考え方を離れて、健康とは?と聞かれた時、今の私は「満たされていること」ではないかと思っています。先の高橋先生は、「心地よさ」あるいは「軽さ」という言葉で表現しています。全く同じではないでしょうが、共通する部分は多いと思います。
 つまり、今の自分が満たされていると感じる時、現在の自分を肯定できる時、それは健康な状態と言っても良いと思います。「足るを知る」という言葉もありますが、それとは違う、もう少し積極的な意味です。つまり諦めではなく、自分自身を認められることです。
 次号では、このことについて考えてみたいと思います。


1999年 4月発行

(次号につづく)(前号を参照する)