銭湯こぼれ話 その1 



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水泳パンツ
タイル画・背景画
飼い魚に手をかまれる
内風呂




風呂の日
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こぼれ話その2






   水泳パンツ  目次へ

 ある日、最近には珍しく小学生同士の二人連れがやってきました。中に入ると物珍しそうにあたりをキョロキョロ見回しています。聞けば銭湯に入るのは初めてとのこと。

 ほほえましく見守っていると、パンツを脱ぐ段になって腰にタオルを巻きだして、パンツを脱いだと思ったら、なんと水泳パンツをはきだし始めたのです。

 「こらこら、お風呂に入るのに水泳パンツをはくやつがあるか!」当の二人はきょとんとして、「え?だめなの?」

 なんでも修学旅行や臨海学校では、クラス全員が水泳パンツをはいたまま風呂に入るのだそうだ。家庭風呂にしか入ったことのない子供たちにとっては、たとえ風呂屋といえど、他人の前で素っ裸になるのが大変恥ずかしいとのこと。

 「僕たち、自分の家の風呂もパンツをはいて入るのかい?」 「はきません」 「だったら風呂屋の風呂も、旅館の風呂も同じだよ。」

 その二人、素直にふるちんで入っていきました。そういえば最近増えた外人さんも、黙っていると下着をつけたまま入ろうとする人が結構います。やはりこれも時代ですかね・・・





   タイル画・背景画  目次へ

 雄大な裾野と田子の浦に浮かんだ白帆の船の前で大きく手足を伸ばして湯船につかる。風呂屋の背景画といえば富士山。統計によるとなんとこれが5割以上をしめているそうです。

 銭湯の背景画にはちゃんと背景が専門の業者の方がいますが、それは見事に下書きもなしに一気に仕上げてくれます。銭湯自体がサービス業ですから、そうそういつまでもやすんではいられませんが、専門の業者の方はその希望に見事に答えてくれ、早ければ一日で仕上げてくれることもあります。

 現在浅草湯には背景画はありません。改築前まではご多分に漏れずに描いてあったのですが、メンテナンスが大変なのと、どうせなら動きや変化があるものをという考えで、背景画の代わりに今の大水槽を設置したのでした。

 背景画と並んで風呂屋でよく見かけるものにタイル画があります。こちらは一度制作してしまえば、タイルが割れない限り持つので一時期結構はやりました。

 実は浅草湯にも昭和4年製のタイル画が何カ所か残してあります。下の写真などもその内の一つです。ここで問題。はたしてどこにあるタイル画でしょうか?

 ぜひ浅草湯に来て探してみてください。答えが判った方には粗品を進呈いたします。



   飼い魚に手をかまれる!?  目次へ

 浴室の大水槽を設置した当初は、中で泳がせている熱帯魚も、ピラルクやアロワナ、アストロといった巨大魚たちでした。餌は冷凍のワカサギを解凍してから与えていました。

 ある日いつものように餌を与えようとワカサギを水槽の上に持っていったとたん、ザバッとアロワナが跳ねて私の指ごとぱっくりとくわえていったのでした。

 当時1M程に育っていたアロワナ君。飼い主の手に見事に歯形を残して泳ぎ去りました。結構痛かったですね。それからは注意して餌を与えるようになりました。

 そんなアロワナやピラルク達でしたが、ある日お客さんが「水槽の魚が変だ!」と大騒ぎをしているので駆けつけてみると、みな上の方に浮いてピクピクしている・・・・あら大変、と水槽に手を突っ込んだとたん右腕に衝撃が!!

 なんと魚が暴れたはずみでサーモスタットが壊れ、漏電していたのでした。あわれ巨大魚達は昇天し、残った大量の魚肉は飼い主や好き者のお客様達のお腹の中に消えていきました。(おいしかったぁ)



   内風呂  目次へ

 良く聞かれる質問に、「銭湯経営の家族のものがお風呂に入るときは内風呂に入るの?」という質問があります。よーく考えてみて下さい。わざわざお客様に家庭風呂より気持ちよく入りに来ていただくのですよ。なにが悲しくてわざわざ小さなお風呂に入らなければならないのでしょう!

 はい、銭湯には内風呂などありません。お風呂に入りたくなれば、お客様と一緒に大浴場に入ります。

 しかし通常は閉店後の仕舞掃除の後の残り湯に入っています。残り湯とはいっても、現在の銭湯のほとんどは濾過装置などを使用してお湯を綺麗にしているので、通常の営業時間に入るのと大差ありません。ご心配なく。




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