院内報一面紹介(抜粋)



木暮正美


介護保険の認定作業が始まりました

院長 木暮正美

 いよいよ介護保険の認定作業が始まりました。法律の施行は来年の4月からですが、介護保険を受けるためには認定を受けていなければなりません。
 手続きは市町村がやってくれていますので、今の所さしたる問題もないと思います。誕生年月の順番でやっていますので、まだ順番の来ない人もいると思いますが、いずれ回って行きますので大丈夫でしょう。
 実際に認定の作業に入ってみますと、一番感じますのは、書類上の審査だけですので、人物像がほとんど見えてこないということです。確かに障害の程度とか、痴呆の程度とかは書類からも、推測されるのですが、人としての形が見えないのです。

 介護保険では審査にはその人の背景は関係ないとされていますが、例えば同じ障害を持つ人がいた時に、その人が全く独りで生活しているのと、家族に囲まれて生活しているのとでは、公的な支援を受けるのに、その程度は異なっても良いと思えますが、保険上では同じ介護のレベルになります。こうした矛盾点は他にもたくさんあると思いますが、より良い制度にするためには、やはり皆さんがそれなりに努力していくしかないと思います。

 一度始まってしまった制度というものは、とかく機械的に流れていってしまって、なかなか良いと思われる方向へと変えることが難しくなるのですが、そんなことのないように、きちんと見守っていく必要があります。
 役所まかせにしないで、きちんと言うべきことは言う姿勢が求められます。
 最近、介護保険の保険料の徴収が半年先送りされようとしていますが、逆にこのことは半年以内に選挙がありそうだということになりそうで、皆さんの思いはきちんと選挙で伝える必要があると思います。

1999年 12月発行

(次号につづく)(前号を参照する)